普通のサラリーマンはキツイぜ
ツイッタープロレス
一昨日あたりからツイッター上で、田端さんとサウザーさんが「サラリーマン論」をテーマにプロレスを繰り広げていまして、ざっくりまとめると、
サウザーさん「勤め人(サラリーマン)はキツイので+αの労働力以外の商品を持とう」
田端さん「"全て"のサラリーマンがキツイわけではない」
という主張です。
ほとんどの普通のサラリーマンはキツイぜ
このプロレスが今後どうなるのかはさておき、少なくとも「"ほとんど"のサラリーマンはまあキツイ」ということはこの2人に限らず、日本中のサラリーマンが同意するところではないでしょうか。
僕自身も気がつけばもう10年ほどサラリーマンをしているわけですが、まあキツイ。
あくまでも一般論として・・・
- 早起きがキツイ
- 満員電車による冤罪リスク不可避がキツイ
- そもそも満員電車自体がキツイ
- 昭和で時間が止まっている上司がキツイ
- 新世代の後輩がキツイ
- 果てが見えない残業がキツイ
- 誰も行きたくないのに惰性で開催される会社飲み会がキツイ
- 毎年積み上がっていく有給日数がキツイ
- 毎年すり減っていく精神と貯金がキツイ
と、キリがないわけです。
一番キツイことはなにか
そんな中でも僕自身がサラリーマンの何が一番キツイと感じているかというと、収入面におけるアップサイドがないという点です。
これを太字にしているところを田端さんにもし見られたら「何千万円も稼いでるやつもいるし、稼いでいなくても金額以上の影響力を得られるわ」的な感じでタコ殴りにされそうで怖いですが、あくまでも"普通の"サラリーマンということを前提にするとこれが現実なんだろうと思います。
そんなセコいことよりも、絶対額としての自分の所得と、換金できない影響力を最大化することに僕は興味があります。 https://t.co/TsMooNteTE
— 田端 信太郎 (@tabbata) 2018年5月6日
普通のサラリーマンが頑張って偉くなったとしてもせいぜい年収は1000万円程度で、それぐらいだと、毎年ビジネスクラスに乗って海外旅行には行けないし、景色のよい都心のタワマンには住めないし、高級車を数年おきに乗り換えられないし、子供を海外留学に送り出せないし、とあまり夢は見れないわけです。
で、普通のサラリーマンとして今後どうするよ
資本主義が浸透したこの世の中において、人々の立ち位置は「資本家」と「労働者」にざっくりと分けられるのですが、僕は現在の労働者という立ち位置から少しずつ資本家という立ち位置にシフトすることを目指したいと思います。というのも残念ながら、田端さんのような個人をブランド化するようなスーパーサラリーマンにはなれそうもないし、サウザーさんのようなマーケットに売ることができる自分の商品を持つ立ち位置というのも難しそうなので、資本家というところを目指したいと思っています。
「資本家を目指す」っていうとすごく仰々しいですが、僕の目指すところはざっくり噛み砕くと「お金がお金を稼いでくれる状態を目指す」っていうところです。
資本家の何がよいのか。
一つ目の理由は、ピケティ氏の「r > g」(r = 資本収益率、g = 経済成長率)によるのですが、まずピケティ氏の問題意識は「労働者が働いて得られる賃金より、資本家が資本を持つことにより得られる収益の方が常に大きいので、今後はさらに格差が広がるぜ」ということになります。その問題意識は一旦さておき、ここで大事なのは、要は資本家の方が労働者よりも有利だということです。
二つ目の理由は、サラリーマンが一生懸命働いて稼いだ利益も結局は株主に帰属する世の中の仕組みになっていて、結局サラリーマンというのはどこまで行っても株主のために働く会社の駒の一つであり、せっかくなら株主の立場、すなわち資本家の方がよくね?ということです。
会社におけるお金の流れを一応整理しておきます。
- 売上をあげる(売上)
- 売上からコストが差っ引かれる(税引前利益)
- 税引前利益から税金が差っ引かれる(税引後利益)
- 税引後利益は株主に還元される(一部は配当、残りは翌年以降の売上げのための再投資)
やや余談ですが、数年おきに会社は誰のものか、という議論が巻き起こって「会社は従業員のものだー」「会社は社会全体のものだー」などの様々なありがたいご意見が出てきますが、意思決定という観点からは、会社は株主のものです。
話を戻して、意思決定者である株主は、株主に還元される4.の税引後利益を最大化するため、2.のコストを小さくするわけです。そして当然ですが会社が雇っているサラリーマンの給与はこの2.のコストに含まれます。
繰り返しになっちゃいますが要するに、会社としてお金を稼いで利益を出すのはそもそも株主のためであり、サラリーマンというのはあくまでも会社の駒なのです。
と言いつつ、サラリーマンも実は悪くないけどね
と、ここまで労働者じゃなくて資本家ということを熱く語っていてなんですが、サラリーマンというのも捉え方次第では非常においしいポジションではあります。
例えば、お金2.0で「評価経済がこれから来る」と述べられているように、お金よりも重要な評価軸が社会に浸透してきた場合、基本的にクビにならないサラリーマンはローリスクで、思い切ったことを仕掛けて社会的な評価を積み上げるというハイリターンを狙えると言えると思います。また、いわゆる大企業に勤めるサラリーマンだからこそ可能な自己実現とか社会貢献とかもあると思います。
なので、一概にサラリーマンがダメといっているわけではなく、あらゆる要素を並べて天秤にかけるということが大事だと考えており、あくまで僕の結論はサラリーマンから株主の方にシフトしたほうがよいわ、というところに至っただけということです。
まあ、こういった話自体は全く新しいことはなく、古くはマルクスが「資本論」で語っていますし、現代においても切り口は様々ですが、ロバートキヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」や橘玲の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」でも語られています。
というわけで長くなってしまいましたが、本ブログでは僕自身が労働者たるサラリーマンから資本家たる株主へ立ち位置をシフトさせていく様子を少しずつお伝えできればと思っている次第でございます。